[捨てられた少女と、喋れない青年が出会った。独りと独りが出会って二人になって、共に生活をしていく……そんな一年間のお話]
出会いの雪暮れ……雪の日の、小さな奇跡。伸ばした手に触れたから。
氷雨の冬の日……二人でいれば、寒さなんてへっちゃら。
桜吹雪の白昼夢……桜吹雪に映るのは、いつかの思い出。忘れずに、抱きしめて。
熱うかされた春の日……熱くとも、恋しくなるのは誰かのぬくもり。
夜を照らす灯火の花……一瞬の輝きだけれど、ずっと焼きついて離れない。眩しくて、綺麗。
寂寥を抱く夏の日……悪意をもつ言葉は鋭く突き刺さる。その傷口は、癒えることなく。
氷を溶かす朧月夜……変わることを恐れなければ、道はどこへでも続く。柔らかな光に照らされて。
散り急ぐ秋の日……枯れた葉が散るの寂しい。終わりがきてしまうのも、悲しい。
涙零れた冬の日……ひとりきり、夜の中で静かに目を閉じる。泣いてくれる人がいるのなら、独りじゃない。
旅立ちの春の日……花びらに乗って、巡れこの想い。優しい微笑みは、今も胸の中で煌いて。
光に向かって歩いていこう。